【5分で読める】心理的安全性とは?~どう作る?勘違いしやすい内容をわかりやすく解説!【前編】

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【5分で読める】心理的安全性とは?~どう作る?勘違いしやすい内容をわかりやすく解説!【前編】

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みなさまこんにちは。

近年、ビジネスにおいて注目を集める「心理的安全性」というキーワードですが、「重要である」ということが先走ってしまい、誤った意味で理解している方も少なくはありません。

誤った認識のまま目指してしまうと、効果がないばかりか【逆効果】を招く可能性も大いにございます。

そこで、まずは心理的安全性自体の理解から、実際どのように作り上げていくのかのステップごとの解説と、明日から使えるキーワードを紹介します。

心理的安全性とその4因子

そもそも心理的安全性(psychological safety)とは、1965年に登場した言葉です。

もとは組織に使われる言葉でしたが、現在ハーバード大学の教授を務めるエイミー・エドモンドソンがチームに応用しました。

Google社が「プロジェクト・アリストテレス」と呼ばれる調査で再発見し、「チームにとって圧倒的に重要」と結論づけたことでさらに注目を集めました。

 

「仲がいい」ということなのでしょうか?よく勘違いされてしまうところですが、答えはNOです。

「仲が悪い」ことがチームの生産性に悪影響を及ぼすことはあると思いますが、仲が良すぎるチーム、というのもその仲がいい状態を優先してしまうことを考え、いうべきことが言えない状況を生み出す危険性もはらんでいます。

 

すなわち、心理的安全性とは「チームの目指す結果や成果のために、意見の衝突を健全に行うことができる状態」を指します。

そしてこの心理的安全性を構成するのは以下の4つの因子である、といわれています。

1.話しやすさ


「こんな意見を言ったら変に思われるのではないか」「言いたくても言いにくくて言えない」といった感情を持たず「結果を出すため・仕事を前に進めるうえで必要なことである」という前提をチームメンバーと共有することで、不都合ではあるが必要なことを発言できる、歓迎される状況であることが重要です。

2.助け合い


お互いに協力し合う精神を持ち、失敗に対しても個人を責めるのではなく、改善に向けて建設的なコミュニケーションをとることができる環境です。

個人の成果のみを追うのではなく、組織・チームとして成果を出すために重要、合理的であるとも言えます。

3.挑戦


成果を出すために動く、という点で挑戦して失敗をした際に挑戦を責めることはNGです。挑戦がなければ成功・成果も生み出されることはありませんので、挑戦することを歓迎する環境が大切になります。

4.新奇歓迎


個性的な人、人とは異なる考え方を受け入れ、うまく活用するという考え方です。

そういった環境が整っている場合、「チャレンジしたいけど周囲から変に思われてしまうかもしれない」といった不安により新しい意見が出づらくなってしまうことを解消します。

実際どうする?心理的安全性の作り方

ここまでで理解できた心理的安全性についてですが、「じゃあ、実際何から始めればいいんだろう?」と感じていませんか?

実際に心理的安全性を作る3つのステップを解説いたします。

STEP1 まずは現状を把握する


はじめに、現状のチームの状況把握を行いましょう。

以下のようなチェックリストの活用がおすすめです。

・課題を指摘しあうことができるか

・リスクのあるチャレンジが許容されているか

・メンバーに助けを求めることができるか

といった項目を、点数をつけて回答し、平均点数などと比較しながら確認することができます。

現状の確認ができると、特に弱い分野が見えてくるのでこの後の対策のうち何に注力する必要があるのか理解することで効果的に対策することができます。

STEP2 心理的安全性についてチーム内で共有し考える


現状把握が済んだら、次は「心理的安全性を高めていきたい」と考えていること自体や、心理的安全性とはいったい何か、というところをチーム内で意見交換します。

ここで重要なのは、他人事にならないよう、発信するだけでなく意見を交換する、意見を伝えあうということです。

このステップを踏むことで、馴れ合い、叱れなくなるといった「心理的安全性の誤った認識」を減らすことができます。

また、成果を出すために意見を伝えあうことの重要性を互いに共有し合うことで意見が言いやすくなり、結果として心理的安全性を作ることにも貢献します。

STEP3 文化・環境・挑戦の3分野を意識する


心理的安全性はここまで確認してきた通り4つの因子によって成り立っていることや様々な視点での取り組みが必要です。その中でも明日から行える3つの分野を紹介します。

 

①感謝の気持ちを持ち、つたえる文化づくり

当たり前のことだと感じると思いますが、実は意外とできていないことが多い分野です。例えばミスの報告があった際、ミスを責めるのではなく「まずは報告してくれてありがとう」とひとこと伝えます。

これは、ミスをしたことと、報告したことを切り離して考えます。

この一言の有無で、次に何か相談したいと感じたとき、報告があるときにしやすくなるかならないかが大きく変わります。

「叱ってはいけない」という話ではなく、まず一言「行動」に対してお礼を伝える、という考え方です。

また、報連相だけではなく、小さな助け合いにも感謝を「伝える」ことが大切です。

この分野はマネジメントを行ううえで重要とされる「承認力」とも重なる部分があります。

▶「承認」とは?意味や高め方を解説中

 

②質問・相談しやすい環境づくり

朝、メンバーが出社したときに名前を呼んでから挨拶をしていますか?

挨拶は、微笑みながらしていますか?

リーダー・上司である、というだけで意識をしていなくても話しにくいと感じてしまう人は多くいます。

そのため、挨拶や業務以外の声掛けを1日1回行うように心がけましょう。

しかし、何でも聞けばいいというものではありませんよね。

そこでマニュアルの整備を行い、わからない部分のみ「まずは自分で考え意見を持ったうえで質問・相談する」という環境を構築しましょう。

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③成功体験を増やし、発言への抵抗感をなくす

小さな目標をチームでもうけ、達成することで発言してもいいんだという自信をつけさせてあげましょう。

業務でももちろんいいですし、会議に必要な知識として○○を〇項目学ぶ、といった学習目標を設け、達成することで知識と自信をつける方法もあります。

また、ここから記載する「明日から使えるキーワード」を意識して使ってみましょう。

明日から使える!心理的安全性を高めるキーワード

【質問や相談を断るとき】

✖「今は無理です」

〇「今は対応できないけど、〇時~〇時はどう?」

ここでのポイントは、可能な時間の提示です。これにより「次話しかけても忙しかったら申し訳ない」などと考えて話しかけづらくなることを防ぎます。

また、〇時~〇時はコミュニケーションタイム、などと向けておくこともいいでしょう。

【打ち合わせの冒頭】

✖「とにかくなんでもいいから意見を出してね」

〇「心理的安全性を担保します!」

あいまいな指示ではなく、ストレートに伝えることで、素直に受け取りやすくなります。

業務において成果を出すための意見を言い合う場所であること、個人の否定ではないことを前提として伝えることで話しやすさが格段に変わります。

【1on1での最後】

✖「ではこれで終了します。他に何かありますか?」

〇「ここまでで感じたことを教えてもらえますか?」

1on1自体、本来は部下の方が話せる環境づくりが重要ですが、最後に改めて質問をしましょう。

1on1自体の感想であったり、具体的に質問することが重要です。

さて、ここまでで心理的安全性の基本から作り上げるステップ、具体的なキーワードなどを紹介してきましたがいかがでしょうか。

心理的安全性が高まることで、ワーク・エンゲージメントの向上や離職防止対策にも繋がります。

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