5分で読める!育児・介護休業法とは?

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5分で読める!育児・介護休業法とは?

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皆さまこんにちは。

現代社会でよく耳にする「イクキュウ」。みなさまも耳にすることが多いのではないでしょうか。この正式名称は「育児休業」です。厚生労働省の調査(出典:厚生労働省 令和4年度雇用均等基本調査 事業所調査)によると、2022(令和4)年度の育児休業取得率は、女性が80.2%、男性が17.1%という結果でした。このように、日本では「男性の育児休業」がまだまだ浸透していません。

そこで、男女ともに仕事と育児の両立ができるよう、2021(令和3)年6月に「育児・介護休業法」が改正されました。それから随時改正がされ、現在に至ります。この改正に伴い、年々育児休暇取得率は2019年から2023年の5年間で約2.5倍に増加しているのが現状です。

各都道府県でも男性の育児休業取得を促進するプロジェクトが行われています。IT Worldも『TOKYOパパ育業促進企業』のゴールドに登録しております。

 このように各企業様も育児休業を取得しやすい環境づくりを進めていらっしゃるのではないでしょうか?

 また、「育児・介護休業法」は、介護休業も含んでいます。これにより、家族の介護が必要になったときに休業を取得することができます。すなわち、「育児・介護休業法」は、夫婦、そして家族が仕事と家庭を両立するために欠かすことができない法律です。

 今回はそんな「育児・介護休業法」について、概要から改正による変更点、そしてそれに伴って行うべきことをわかりやすく解説してまいります。

育児・介護休業法とは?

育児・介護休業法とは、正式名称「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」で、育児や介護をしながら働く労働者に対して継続的な就業を支援することを目的に制定された法律です。

 1991年に育児休業が単独の法律として成立し、1995年に介護休業制度を加えた「育児・介護休業法」が始まりました。その後も少子化や労働人口減少、それに伴う高齢化に対応するべく7回の改正が行われています。

 繰り返し行われている改正の背景としては、社会問題となっている、出産や育児等による労働人口の減少があります。現在の日本においての育児休業の取得率は、近年では男性の育児休業取得率も増加傾向にあるものの、依然として取得率に男女差があります。また、育児休業によって職場を離れる女性の多くがそのまま離職をしてしまうという場合が多いのも現状です。

2022(令和4)年10月からの改正ポイント

2022(令和4)年10月に実施された改正は、全企業対象で以下の2つとなります。

  • 産後パパ育休(出生育児休業)の創設
  • 育児休業の分割取得

 

①産後パパ育休(出生育児休業)

産後休業をしていない労働者が、配偶者の産後8週間以内に最大4週間(28日)取得できる育児休業のことです。 

また、養子縁組をしている場合などで法的な要件を満たしている場合は女性も取得可能となっています。

②育児休業の分割取得

育児休業を2回まで分割して取得できるというものです。これにより、配偶者の出産直後の育児休業がより柔軟に取得しやすくなりました。

また、この分割取得は、「産後パパ育休(出生育児休業)」でも適用されるため、夫婦で育児休業を併用する場合、男性は子が1歳になるまでに計4回の育児休業が取得できます。

2023(令和5)年4月に実施された改正は、以下となります。

1.育児休業の取得状況公表の義務化

従業員数が1,000名を超える企業は、男性従業員の育児休業取得率、または育児休業・休暇の取得率を年に1回、公表しなければなりません。この改正は、「従業員数が1,000名以上の企業」が対象で、この公表をしないと罰則が課される場合もあります。

また、インターネット等、一般の方が閲覧できる方法で公表する必要があります。

この改正は2022(令和4)年10月に実施された「産後パパ育休(出生育児休業)」を世の中に定着させることを目的としており、男性の育児休業の取得促進と共に、誰もが働きやすい社会を実現させることが期待されています。

このように育児・介護休業法により、各家庭の事情に合わせた柔軟な子育てを可能にすることで、雇用継続や労働人口の確保、そして少子高齢化の対策にもつながります。

改正に伴い担当者が行うべきこと

定期的に改正されている育児・介護休業法において、担当者さまが行うべきこととしてこのようなものがあります。

〇全社員に育児・介護休業法の周知を徹底

現在育児休業における、妊娠・出産や育児休業の取得を理由としたマタハラ(正式名称:マタニティハラスメント)やパタハラ(正式名称:パタニティハラスメント)といわれる、ハラスメントが社会問題となっています。そのため、育児・介護休業法のすべての内容に関して、ハラスメント防止のためにも全従業員に周知を徹底しましょう。

ハラスメント対策として、IT Worldではパワハラ予防研修を行っております。この研修でハラスメントが発生する前に、対策を行って予防しておくこともおすすめです。

 

〇育児休業の取得事例を発信

2022(令和4)年10月に改正された「産後パパ育休(出生育児休業)」と「育児休業分割取得」により、以前よりも柔軟に育児休業を利用することが可能となりました。しかし第一子をもつ親らは、理想的な育児休業の取得の仕方や、子が小さいうちに想定される事態などを想像するのが難しいというのが現状です。この場合、すでに育児休業を取得した社員にインタビューを行い、事例として社内で公開する、といった情報発信に取り組み、育児休業に関する多様な形を共有することをおすすめします。同時に会社として、育児休業を歓迎するメッセージを伝えることも可能となります。

これにより、育児休業のイメージがつきやすくなり、従業員も育児休業に対してポジティブな印象をもつことができます。

〇育児休業中の就業についての事前説明をしっかり行う

「産後パパ育休(出生育児休業)」では、育児休業中の就業が認められています。

しかし、就業する時間数・日数によって受給できる本来の育児休業給付金の額が変動したり、社会保険料の免除が適用されなくなったりする場合があります。

このような予想できるポイントも事前に従業員にしっかり説明を行い、双方が納得したうえで育児休業の取得手続きを行うようにしましょう。

〇出生時育児休業給付金の申請

「産後パパ育休(出生育児休)」の創設に伴い、新たに「出生時育児休業給付金」が誕生しました。受領要件や支払額等は育児休業金と同様となっています。

注意点として、出生の日の8週間後の翌日から起算して、2か月後の月末までに、管轄のハローワークに申請する必要があります。この際、手続き漏れには十分注意しましょう。

IT Worldにご相談ください

いかがでしたでしょうか。

育児・介護休業法の概要から改正による変更点、そしてそれに伴って行うべきことについて解説してきました。随時改正される法改正への対応には、早めの情報収集とそれに伴って行うべきことの整理が重要です。

そして、育児・介護休業法に対応できる環境作りを行っていきましょう。育児休業の分割取得が可能になったことにより、申請の方法に変化が生じています。また、育児休業期間を含む月の給与や賞与の計算時に、社会保険料免除の対象となるかの判別も必要となります。これらに対応できるシステムを導入することで、育児・介護休業法への対応が可能です。

例えば、オフィスステーション労務は、電子申請対応帳票に雇用保険育児休業給付(育児休業給付金)の分割取得の申請、そして雇用保険育児休業給付(出生時育児休業給付金)の申請が追加されており、育児・介護休業法に対応することが可能です。IT Worldでは導入時のサポートもいたします。IT導入補助金を活用した導入も可能ですので、いつでもご相談ください。

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育児・介護休業法に関する情報収集については、今回の内容をイラストで解説しているホワイトペーパーや、育児・介護休業法対応セミナーもご活用いただければと思います。

また、ハラスメント防止の環境形成としてパワハラ予防研修もぜひご検討ください。

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