総務の魂 vol.91

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総務の魂 vol.91

ワーク・エンゲイジメントを 高めましょう!⑩

今回も前回に引き続き、仕事の資源を増やす取り組みについて紹介します。

Ⅰ.パフォーマンスのフィードバック

上司から部下へのパフォーマンスのフィードバックは、部下に自信を与え、部下の成長を促します。

フィードバックは建設的に行うことがとても重要で、そのポイントは次のとおりです。

①成長を支援する目的でフィードバックをする

②できるだけ部下が求めていることに対してフィードバックをする

③部下の人格(性格)や能力の有無には触れず、部下の発言、仕事のやり方、行動を具体的に改善する方向で伝える

④上司が観察によって把握した事実を具体的・客観的に伝える

⑤実行可能なフィードバックをする

⑥できるかぎりその場でフィードバックをする

評価面談などでフィードバックを行う場合は、上司は温かく部下を迎え入れ、最初に部下の良かった点を2~3つ伝え、そのあとに改善点を建設的に伝えるくらいが適切です。

Ⅱ.承認する

「承認」とは、部下自身が気づいていない、優れた能力、資質、業績、貢献、成長、可能性などについて、その事実を部下に言葉で伝えることを言います。パフォーマンスのフィードバックなどと同時に行うと効果的です。承認されることで、部下は自分の価値を自覚し、「自己肯定感」、「自己効力感」が高まるため、個人の資源を増やすことができ、結果としてワーク・エンゲイジメントが高まります。抽象的にほめるのではなく、部下の存在・行動・結果がもたらす価値(周囲に役立っている度合)を具体的・客観的に伝えることが「承認」のポイントになります。

次回は「個人の資源を増やす方法」について、お伝えします。

労働関係法令等の最近の動き:職場における新型コロナウイルス感染症対策

「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」が2021年5月14日に改正されました。

本号では「職場における感染症対策」のポイントをご紹介いたします。改めて自社の取り組みのご参考にして頂ければ幸いです。また、職場における感染防止対策についてご不明な点等がありましたら、都道府県労働局に「職場における新型コロナウイルス感染拡大防止対策相談コーナー」が設置されていますのでご相談ください。

また、感染防止対策の詳細かつ具体的な取り組みをチェックする際には、安全衛生委員会・衛生委員会(設置が無いときは事業場単位または人事総務部)において、右下のチェックリストを用いて審議されることをお勧めいたします。

各都道府県における最新の相談・受診・検査体制を確認し、従業員が体調不良を感じた場合や保健所等から濃厚接触者に指定された場合の行動フローを作成し、周知することをお勧めします。

各都道府県が公表している、相談・医療に関する情報や受診・相談センターの連絡先はこちら

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例) ※5/21時点公表

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、令和3年4月30日までを期限に雇用調整助成金の特例措置が講じられていましたが、すでに4月30日に公表されているとおり、一部内容を変更し、この特例措置が6月30日まで延長されています。

判定基礎期間の初日が令和3年5月1日以降

  • 支給申請様式が4月から変更されております。
  • 全国・全業種共通の「原則的な措置」の他に、業況特例(全国)」と「地域特例(都道府県毎)」が追加されました。
  • 特例の種類に応じて、助成率が異なります。

 

業況特例

(特に業況が厳しい全国の事業主)

休業の初日が属する月から遡って3ヵ月間の生産指標(売上高等)の月平均が、前年同期又は前々年同期と比較して、30%以上減少している事業主

 

 

地域に係る特例 (営業時間の短縮等に協力する事業主)

緊急事態措置の対象区域又はまん延防止等重点措置の対象区域の都道府県知事による要請を受け、休業、営業時間の変更等に協力する事業主

 

総務のお仕事カレンダー 2021年6月・2021年7月

6月1日(火)7月12日(月) 令和3年度 労働保険の年度更新

■参考リンク:厚生労働省「令和3年度労働保険の年度更新期間について」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/roudouhoken21/index.html

6月1日(火) 内閣官房「2022年度卒業・終了予定者等の就職・採用活動に関する要性」に基づく採用選考活動開始

■参考リンク:内閣官房「2022年度卒業・終了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_katsudou/pdf/r021029_siryou.pdf

6月10日(木) 5月分の源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収税の支払

■参考リンク:国税庁「源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納付の特例」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2505.htm

6月30日(水) 5月分の健康保険・厚生年金保険料の支払

■参考リンク:日本年金機構「厚生年金保険料等の納付」

https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/nofu/nofu.html

7月12日(月) 6月分の源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収税の支払

■参考リンク:国税庁「源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納付の特例」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2505.htm

7月15日(木) 高年齢者・障害者雇用状況報告の提出

■参考リンク:厚生労働省「高年齢者・障害者雇用状況報告の提出について」

https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koureisha-koyou/index.html

8月2日(月) 6月分の健康保険・厚生年金保険料の支払

■参考リンク:日本年金機構「厚生年金保険料等の納付」

https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/nofu/nofu.html

[] 労働保険の年度更新

6月1日(火)より、労働保険の申告・納付期間となります。昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、申告・納付期限が8月31日まで延長されていましたが、今年度は例年通りのスケジュールで、申告・納付期限は7月12日(月)となります。申告書の具体的な記入方法につきましては下記リンク等をご確認下さい。

■参考リンク:厚生労働省「令和3年度事業主の皆様へ(継続事業用)労働保険年度更新申告書の書き方」

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/hoken/2020/keizoku.html

[2] 算定基礎届

7月1日現在で使用している被保険者および70歳以上被用者について、4月から6月に支払った賃金を基に標準報酬月が決定(定時決定)されます。定時決定の対象とならない被保険者の確認など、事前の準備を行いましょう。

■参考リンク:日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」

https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20121017.html

[3] 賞与支払届の提出

賞与を支給した場合には、従業員から保険料を徴収する必要があります。支給日より5日以内に所轄の年金事務所(健康保険組合に加入している場合は健康保険組合)に賞与支払届を届け出ることになっています。

■参考リンク:日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」

https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20141203.html

 健康で活き活き自分らしく! セルフケアカード好評発売中!

定価 3,000円(税別)

セルフケアとは?

セルフケア(self care)とは一  般的には自分自身で心や身体についてケア(管理や手入れなど)を行うことを言います。ここでは特に「働く人のメンタルヘルス(心の健康)において良くない状態であればそれを改善し、良い状態であればそれを保ちながら、さらに良くするためにケアすること」を指します。

セルフケアが必要な理由

働く人が主体的にセルフケアに取り組むことで、仕事を含めた日常生活において過度なストレスから自分自身を守り、健康的な生活を維持・向上させることができます。

その結果、組織の生産性が向上し、持続可能な発展へとつながっていきます。

セルフケアカードとは

効果的にセルフケアを行うための具体的なコーピング(ストレス対処)の手法、およびコーピングの前提となる自己理解において欠かせない感情表現を厳選・体系化して80枚のカードにしたものです。新入社員教育や管理職研修、ストレスチェック後のフォロー研修で活用できます。

ぜひセルフケアカードを活用して、健康で活き活きと自分らしく過ごしてください!結果として、会社の生産性も向上します。

TOPICS 労働関係情報

● 約5割が“何もせず” パワハラ発覚後の勤務先 厚労省調査

過去3年間においてパワハラ(パワーハラスメント)を受けた労働者の割合が3割超に達していることが厚労省の調べで分かった。
厚労省が昨年10月に実施したアンケート調査によると、過去3年間、勤務先でパワハラを一度でも経験した労働者の割合は31%、顧客からの著しい迷惑行為が15%、セクハラが10%となっている。
ハラスメントの存在を知った後の勤務先の対応をみると、パワハラでは「特に何もしなかった」が47%となっている。
大企業に続き、来年4月からは中小企業においてもパワハラ防止対策が義務化される。

● 負担上限3,500円 在宅勤務中の昼食負担 国税庁

国税庁は在宅勤務に係る費用負担に関するFAQを更新し、在宅勤務者に対する食事支給について、非課税となる企業の負担額は従来どおり3,500円までとする考えを明らかにした。従業員からの徴収額が食事の価格の50%以上で、企業の負担額が月額3,500円を超えないときは、非課税として扱うこととしている。
食事支給とは、企業が従業員に対して購入した弁当を提供するケースや、社員食堂で食事を提供するケースなどを指す。食費の補助として現金を支給する場合は給与と見なされ、所得税の課税対象となる。

「人」Book

『自分らしいキャリアのつくり方』

高橋 俊介・著 2009.9.1

PHP研究所、税込み770円

 

この5月下旬に開催された「日本の人事部」主催「HRカンファレンス」の1コマで、本書の著者高橋俊介氏による『キーフレーズで考えるキャリア自律』と題するセッションがあり、参加しました。ここではキャリア自律に欠かせない10個のキーフレーズが紹介されました。例えば、「仕事ばかりしていると仕事に必要な能力が身に着かない」、「人生で大切なことは二つ以上ある」、「好きなことと向いていることは違う」、「目標を達成することが良いとは限らない」など。

今回のセッションで紹介されたキーフレーズは本書からの抜粋によるもので、本書には全部で44個のキーフレーズが取り上げられています。本書は世に出てから10年以上経っているのですが、「キャリア自律」を誤解し忌避する企業もあるような状況で、働く側も含めてまだまだ実現が進んでいないのだと思えます。仕事をしているすべての人に読んでもらいたい1冊です。