最大600万円の助成金が交付される令和7年度 業務改善助成金について、
支給要件や助成金額、申請対象、申請の支援などを解説いたします。
注意点や実際のフローについて、1からわかりやすくご説明いたします。
IT Worldでは、提携先社労士事務所による業務改善助成金申請サポートを承っております。
業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を30円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、
その設備投資等にかかった費用の一部を助成する厚生労働省が運用する制度です。
※2025年4月11日時点での最新情報となります。令和6年度との相違点は>>こちら
業務改善助成金では、中小企業にとって喫緊の課題である人手不足解消のため、システムの導入や賃金引上げに対し、
財務的なリスクを負うことなく、生産性向上を実現することが可能です。
さらに、システムの導入により負担の削減や賃金引上げなどのメリットを享受することで、従業員満足度の向上にもつながります。
毎年10月1日に地域別最低賃金の基準値が改定されますが、地域別最低賃金の引き上げタイミングに合わせて
助成金を申請しないのは非常にもったいないと言えます!
事業場内最低賃金の
引き上げ計画
設備投資の計画
業務改善助成金を支給
(最大600万円)
▶業務改善助成金の支給要件
業務改善助成金の申請にあたり、3つの基本要件を満たす必要があります。
□ 中小企業/小規模事業者であること
□ 事業場内最低賃金と、地域別最低賃金の差額が50円以内であること
→助成上限額で解説しているように、引き上げ額や労働者の数で助成額に変動があります
□ 解雇・賃金引下げなどの不交付事由がないこと
中小企業・小規模事業者:①対象業種 ②資本金又は出資額 ③常時使用する労働者
小売業:①小売業・飲食店など ②5,000万円以下 ③50人以下
サービス業 ①物流賃貸業・宿泊業・医療福祉・複合サービス業など ②5,000万円以下 ③100人以下
卸売業 ①卸売業 ②1億円以下 ③100人以下
その他の業種 ①農業・林業・漁業・建設業・製造業・運輸業・金融業など ②3億円以下 ③300人以下
事業場内最低賃金とは:雇用から6か月後以降の労働者が受け取る、事業場内で最も低い時間給のこと
月給制の場合は時給に換算した額で判断
地域別最低賃金は以下のページでご確認いただけます。
▶業務改善助成金の対象経費
生産性向上・労働能率の増進に資する設備投資として、以下とされております。
謝金、旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、原材料費、機械装置等購入費、造作費、
人材育成・教育訓練費、経営コンサルティング経費、委託費
対象は広くなっておりますが、具体例として以下のような経費が対象です。
顧客・在庫・帳簿管理システムを導入したことで業務効率化が図れたケース
専門家に業務フローの見直しを依頼したことで顧客回転率が向上したケース
POSレジシステム導入により在庫管理を短縮できたケース
見積・注文・支払・請求・売上・入金等の管理を一元管理することで作業時間を短縮のケース
▶ITツールの導入で業務を効率化する具体策
IT Worldではこれまで、延べ1,000社以上の皆様に向け、ITツールの導入をご提供してまいりました。
そんなIT Worldの豊富な経験から、システム導入により効率化される具体例をご紹介いたします。
Case01…毎月の勤怠締め作業時間が80%削減+給与計算のアウトソーシング費用も削減
業態:食料品製造業
利用者数:約120名
拠点数:3拠点
紙のタイムカードでの集計のため、印字されたものをExcelに転記し、シフト表と照らし合わせての管理…と
2~3日かけて集計を行い、給与計算を実施していた。
国などへの申請時のデータ加工にも時間をかけており、給与計算ソフトに手入力を行うなどアナログ運用であった。
システム導入後は、シフトの作成や、リアルタイムでの勤怠実績が見られること、残業の抑制通知などを活用し、
勤怠締め業務の削減だけではなく、従業員の残業抑制にも活用。
勤怠だけでなく給与、人事労務機能も持っているシステムのため従業員の情報が一元で管理できることや、
給与への連携がスムーズであることから導入効果を高く感じている。

Case02…老朽化したシステムからの入れ替えで在庫管理や販売管理の簡便化
業態:家具製作/輸入および販売
拠点数:5拠点(本部/工場/3店舗)
本部・工場・店舗間での在庫管理や入出庫管理において、情報共有が一部でしかなされないことや、Excel管理で同時利用ができない点、入力漏れ等に課題を感じていました。
システム導入時、IT World構築担当者と何度も打合せを重ね、行いたい運用と再現の方法を試行錯誤しながら構築を進めていきました。
リアルタイムで情報の反映がされ、権限を持つ担当者との共有がスムーズになったことで無駄な確認作業が削減され、事務工数の削減ができました。

Case03…毎月末の経理処理で発生する二重申請やミスの対処が削減
業態:医療・福祉
従業員数:70名
経費の運用をGoogleスプレッドシートで行っており、申請の集計と証憑の確認に大幅な工数をかけていました。
ミスの修正依頼やその対応が遅れることに、担当者様のストレスやご負担も増加。
決算前は数か月分をまとめてチェックすることもあり、繁忙期の負荷が膨大に。
システム導入後はスマートフィンからのAI-OCRでの自動読み取り機能を活用することで申請がスムーズになり、
月末にまとめて提出されることも削減。経費申請の業務時間が1/3に削減されました。

IT Worldでは、複数領域のシステムを、企業様ごとの比較表を作成、比較提案を行っております。
また、システム導入時の設定代行、操作指導などの導入支援も助成金の対象となっております。
喫緊の課題である人手不足の解消に大きく影響を及ぼす【業務の生産性向上】ならびに【賃金の引上げ】について
ぜひ助成金を活用しての導入をご支援させていただきたいと考えております。
システムがお決まりの方も、そうでないかたもお気軽にまずはご相談ください。
▶業務改善助成金の助成上限額
引き上げる最低賃金額及び引き上げる労働者の人数によって助成上限額が変わります。
なお、助成対象経費の下限は10万円とされています。
★申請事業場の規模が30名未満であれば、()内の助成上限額が受けられます。

▶業務改善助成金の助成率
申請の行う事業場の引き上げ前の事業場内最低賃金によって変わります。
★助成率の拡大
・申請事業場の事業場内最低賃金額が900円未満又は900円以上950円未満であれば、3/4より高い助成率

助成金額の計算…【生産性向上に資する設備等にかかった費用に、一定の助成率をかけた金額】と、【助成上限額】を比較していずれか安い方
【例】
〇事業場内最低賃金が980円→助成率4/5
〇8名の労働者の時給を1,070円まで引き上げ=90円コース
→助成上限額450万円
〇設備投資額は600万円

▶業務改善助成金の申請フロー
●事業場内最低賃金の引き上げおよび設備投資については、【これから実施するためのものが助成の対象】となります。
●労働者の事業場内最低賃金を引き上げるための支援であることから、労働者・従業員がいない場合は、助成の対象になりません。
申
請
計
画
の
実
施
報
告
書
提
出
入
金
状
況
報
告
01 申請(書類の作成・提出)
まずは交付申請書・事業実施計画書を作成し、事業所管轄の労働局へ提出します。
申請書には、事業実施計画や賃金引き上げ計画を添付します。
事業実施計画には、生産性の向上等の効果が有効であることを示す理由、具体的な内容の記載が必要です。
実施計画の立て方や、受給できるか不安な場合には、助成金の申請サポートサービスの利用がおすすめです。
>>社労士助成金申請サポートの詳細はこちら
必要書類を提出後、労働局によって審査が行われます。
交付決定まではおおよそ1か月となっています。
生産性向上にかかる取り組みについては、交付決定後の実施が必要ですので、交付決定間瀬に取り組みを開始しないよう、留意する必要があります。
02 生産性向上計画の実施・最低賃金の引き上げ
交付決定を受けた後に、事業実施計画書の内容に沿って、生産性向上にかかる取り組みを実施します。
ここでITツールの導入や、専門家によるコンサルティングなどを実施します。
※地域別最低賃金の発効に対応して事業場内最低賃金を引き上げる場合、発効日の前日までに引き上げの必要があります。
引き上げ後の事業場内最低賃金額と同額を就業規則等に定めていただく必要があります。
事業完了予定期日、費用見込みなどの記載も事業実施計画書に記載しているため、
・労働者の休職などにより引き上げ対象の労働者数が減り、助成上限額が変更になった
・助成対象経費(導入予定のもの)が変更になった
・助成対象経費(導入予定のもの)の支払日・納品日が変更(後ろ倒し)になった
等の場合には、事業計画変更申請書、予定期日変更報告書等の提出が必要です。
申請期間
賃金引上げ期間
事業完了期限
第1期
令和7年4月14日~
令和7年6月13日
令和7年5月1日~
令和7年6月30日
令和8年1月31日
第2期
令和7年6月14日~申請事業場に
適用される地域別最低賃金
改定日の前日
令和7年7月1日~申請事業場に適用される地域別最低賃金
改定日の前日
令和8年1月31日
03 報告書の提出
上記にて実施した取り組みの経費支払が完了した後は、以下を記載した事業実績報告書を労働局に提出します。
・業務改善計画の実施結果
・助成金対象経費の支払い結果
・賃金引き上げ状況
提出期限は、事業完了日から起算して1ヶ月を経過する日、または翌年度4月10日のいずれか早い日までとなります。
04 入金
実績報告書の内容を、労働局が審査し、適切であると認められれば助成金額の確定と支給決定の通知が届きます。
申請から交付決定まではおおよそ1か月ほどかかりますが、確定通知を受けれた後は支払請求書(様式第13号)を提出することで指定口座に助成金が振り込まれます。
05 状況報告
交付確定後、労働者の賃金の引き下げや解雇などが行われることの無いよう、照明のために状況報告書の作成および提出が必要です。
提出期限は以下のいずれか遅い日から起算して1月以内です。
①賃金額を引き上げてから支払い請求手続きを行った日の前日
②賃金額を引き上げてから6月経過した日
また、助成事業完了日の属する年度の翌々年度6月30日までに、仕入れ控除税額が0円の場合でも、「消費税および地方消費税にかかる仕入れ控除税額報告書」を作成して提出する必要があります。
※業務改善助成金の留意事項
●事業場内最低賃金の引き上げおよび設備投資については、【これから実施するためのものが助成の対象】となります。
●労働者の事業場内最低賃金を引き上げるための支援であることから、労働者・従業員がいない場合は、助成の対象になりません。
●助成対象経費の下限は10万円
● 同一事業場の申請は年度内1回まで
業務改善助成金の利用は、中小企業は生産性を向上させ、利益を拡大し、賃金の引き上げを行うことに活用できます。
しかしながら、申請から採択までには複数の工程があり、受給後の報告までを含めると、通常業務でお忙しくされていらっしゃる
担当者さまの負担になってしまうことも懸念されます。
IT Worldでは、こういった担当者様のご負担削減や、確実な需給のサポートをするため、
業務改善助成金の申請支援を承っております。
まずはお気軽に無料相談からご利用ください!
▶令和6年度との相違点
• 事業主単位での申請上限600万円まで(6年度は事業場単位)
• 大企業と密接な関係を有する企業(みなし大企業)は対象外
• 基準となる事業場内最低賃金労働者の雇用期間が、「3か月以上」から「6か月以上」に変更
• 事業完了期限は2026(令和8)年1月31日※
※やむを得ない事由がある場合は、理由書の提出により、2026(令和8)年3月31日とできる場合があります。
▶業務改善助成金の申請支援
IT Worldでは、業務改善助成金の申請サポートサービスを提携の社会保険労務士事務所と提供しております。

着手金無料・成功報酬型で安心の支援
専任チームで対応するため、丁寧でスピード感のあるコミュニケーション
システムに強く、複雑な申請書類の内容作成ノウハウが豊富
▶IT導入補助金 VS 業務改善助成金 どっちがいい?
弊社ではIT導入補助金の申請のご支援も行っております。
IT導入補助金と業務改善助成金ではどのように異なるのでしょうか?
そもそも助成金と補助金では以下のような違いがございます。
助成金:主に厚生労働省が管轄し、受給対象となるのは雇用保険料の適用事業主であり、要件を満たせば受給できる傾向にある
補助金:主に経済産業省が管轄し、書類等を通して審査で採択される必要があり、公募期間が短い傾向にある
その他に、対象範囲の違いや、申請時のフローが異なります。
IT導入補助金の申請対象製品は、事前に登録されたツールの申請や、汎用ツールの単体での申請が不可、ハードウェアはインボイス枠のみで上限10万円までと、絞られているのに対し、業務改善助成金では対象範囲がかなり広く、【生産性向上・労働能率の増進に資する設備投資等】であれば、詳細なルールが定められていません。
申請時のフローとしても、IT導入補助金は申請の期間が複数回に定められているのに対し、業務改善助成金では対象年度内に1回申請が可能という規則のみとなります。
上記の2つの補助金と助成金は、特性が異なりますが併用しての申請は不可となりますので、自社さまに合った補助金・助成金を選択し、活用しましょう。
どちらが適しているのかわからない場合のも、お気軽にご相談ください。

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