魂のQ&A vol.92

魂のQ&A vol.92

労働条件の明示方法

〔質問〕

新型コロナウイルス感染症の影響もあり、社員の勤務形態についてテレワークを実施しています。労働条件の明示を電子メールで行うことに問題はありますか。

〔回答〕

労働条件の明示は書面交付が義務付けられていましたが、平成31年4月1日からは「労働者が希望した場合」は、FAXや電子メール、SNS等により明示することも可能となりました。

ただし、注意点もありますのでお気を付けください。

⮚労働条件の明示事項を再確認

労務管理の基本ですが、必要明示事項が抜けていると、後にトラブルの原因にもつながります。

「労働条件の明示事項」について、今一度、ご確認ください。

a  労働契約の期間
b  有期労働契約の更新の基準
c  就業場所・従事すべき業務
d  始業・終業時刻、所定労働時間超えの労働の有無、休憩時間、休日、休暇、2交代制等に関する事項
e  賃金の決定・計算・支払方法、賃金の締切・支払時期、昇給に関する事項
f  退職(解雇を含む)に関する事項
g その他(※)

(※)書面の交付は義務付けられていませんが、定めがある場合は以下の事項も明示する必要があります。

・退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払方法、退職手当の支払時期

・臨時に支払われる賃⾦(退職手当除く)、賞与、精勤手当、勤続手当、奨励加給、能率手当、最低賃金額

・労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項

・安全衛生、職業訓練、災害補償・業務外の疾病扶助、表彰・制裁、休職に関する事項

⮚書面交付以外による労働条件明示の注意点

労務管理の基本ですが、必要明示事項が抜けていると、後にトラブルの原因にもつながります。

「労働条件の明示事項」について、今一度、ご確認ください。

  • メール等の場合は添付ファイルで出力して書面を作成できるものに限られています
  • 労働者が本当に電子メール等による明示を希望したか、個別にかつ明示的に確認しましょう
  • メール等の到達確認を必ずしましょう(受信拒否設定等で確認できない場合があるため)
  • 第三者が閲覧できる労働者ご本人のブログ等やホームページへの書き込みによる明示は認 められません
  • 出来るだけ出力をして保存するように、ご本人に伝えてください(データ破損、保存期間切れ等によって閲覧不能となる可能性があるため)。

労働契約の締結に明示を怠ったり、ご本人が希望していないのにもかかわらず、電子メール等のみで明示することは、労働基準関係法の違反となり、30万円以下の罰金となる場合があります。