魂のQ&A vol.83
パートタイマーの有休手当について
〔質問〕
パートタイマーの従業員にも年次有給休暇を与えなければならないと聞いています。
パートタイマーはシフトによって勤務時間がバラバラなのですが、有給休暇取得日の賃金はどのように計算すればよいでしょうか?
〔回答〕
まずは、有給休暇を取得した場合の賃金の支払方法について、就業規則等で定めておく必要があります。
パートタイマーの場合、1日の所定労働時間が定まっていないことが多いため、平均賃金を有給休暇取得日の賃金とする方法が考えられます。
年次有給休暇を取得した日については、①平均賃金、②通常の賃金、③標準報酬日額(健康保険法)のいずれかの方法により計算した額を支給しなければなりません。平均賃金を選択した場合の計算方法は、下記の通りとなります。
1.平均賃金の原則
(A)過去3ヵ月間の賃金総額÷過去3ヵ月間の総暦日数
※ 過去3ヵ月間とは、算定事由発生日の前日から遡った暦日の3ヵ月間をいう
※ 賃金締切日がある場合は、直前の賃金締切日から遡って3ヵ月となる
計算例
賃金締切日:毎月10日
有休取得日(算定事由発生日):1/15
算定期間 | 10/11-11/10 | 11/11-12/10 | 12/11-1/10 |
総暦日数 | 31日 | 30日 | 31日 |
労働日数 | 12日 | 10日 | 15日 |
基本給 | 60,000円 | 45,000円 | 70,000円 |
通勤手当 | 4,800円 | 4,000円 | 6,000円 |
(64,800円+49,000円+76,000円)÷(31日+30日+31日)≒2,063.04円
2.最低保障
(B)過去3ヵ月間の賃金総額÷過去3ヵ月間の総労働日数×60%
(64,800円+49,000円+76,000円)÷(12日+10日+15日)×60/100≒3,077.83円
AよりもBの方が高額なため、最低保障が平均賃金となります
※賃金の一部又は全部が日給制、時間給制、出来高給制の場合は、上記原則の計算式と最低保障額とを比較して高い方を支給します。