【5分でわかる】運送業の働き方改革〈対応編〉

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【5分でわかる】運送業の働き方改革〈対応編〉

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こんにちは。

皆様は、最近物流業界で話題の「2024年問題」をご存知でしょうか。

この物流の「2024年問題」は、時間外労働時間の上限規制や改正改善基準告知が適用され、労働時間が短くなり輸送能力が不足してしまうことから、「モノが運べなくなる」可能性が懸念されています。

そのため今回は、この物流の「2024年問題」に対応していくために知っておきたい「運送業の働き方改革」について〈概要編〉〈対応編〉〈システム編〉の3部に分けて解説します。

本コラムの〈概要編〉、運送業の働き方改革の概要についてご紹介いたしました。

今回の第2弾では、働き方改革へ対応するための対策や、対応ポイントについてお届けします。

このコラムは

・運送業の働き方改革に対応していきたい
・実際対応していくにあたって、自社に最適な対策がわからない

といったお悩みをお持ちの方に最適な内容となっています。

どのように対応を進めていくべきか

働き方改革の概要が理解出来たら、次は対応していくためにどのように動き出すかがカギとなります。ただ、改正された内容通りに運用していくだけではいけません。しっかりと現状を理解し、無駄のない対応が必要です。

では、どのように対応を進めていけばよいのでしょうか…

まずは、実際に対応を始める前に行っていただきたい3つのステップについて見ていきましょう。

STEP1:現状を把握する

まずは、ドライバーの現状を把握することから始めます。

現状把握は、ドライブレコーダーなどを利用し、改善基準告知違反がないかを確認する必要があります。2024年4月以降、違反しないようにモレがないかを確認しましょう。

〈改善基準告知のPOINT〉
✓運転日報の確認✓休息時間の確認
✓労働時間の確認✓運転時間や連続運転時間の確認
✓拘束時間の確認✓休日及び休日労働の確認

STEP2:課題点を明確にする

次に、改善基準告知が守られていることや、違反してしまっている箇所を確認できれば、課題点を明確にする必要があります。課題点を洗い出す方法としては、現場の現状把握だけではなく、ドライバーの声を直接聞くようにしましょう。ドライバーに対して、アンケート調査などを行えば現場の声を拾うことが出来ます。アンケートに関しては、無記名仕様で行うことで、より率直な意見を集めることが出来るため、より効果的です。

そして、アンケート集計ができたら、課題点の分析を行い、その原因がどこにあるかを明確にします。原因が自社にある場合は、直ちに改善策を講じ、ドライバーにある場合には教育訓練を繰り返し行う必要があります。また、荷主側が原因とされる場合は、粘り強く交渉して課題を改善しましょう。

STEP3:アクションプランを立て、実行する

最後に、課題を明確化出来た後は、アクションプランを立てます。

アクションプランは、必ず改正労働基準法を厳守し、政府の行動計画に沿ったものにしましょう。政府の行動計画では「環境整備」の促進に対して「労働生産性の向上」「多様な人材の確保」「取引環境の適正化」が挙げられています。

プランを実行した後は、進捗状況を確認し成否の判断を下します。そして、成否の要因を分析し、新たなアクションプランを立てて実行する。

このような流れを繰り返すことで、課題解決に繋げることができます。

働き方改革に対応していくためのポイント

ここまで、対応の流れを3つのポイントに分けてご紹介しましたが、対応の流れは理解できたものの、実際に自社は何から動きだすべきかわからない方もいらっしゃると思います。そのため、今回は対応してくため、実際に動き出すために、抑えておきたいポイントを3つピックアップしてご紹介いたします。

 ①荷待ち時間の削減 

まずは、荷待ち時間の削減についてです。

荷待ち時間とは「荷主や物流施設の都合によってドライバー側が待機している時間」のことを指しており、荷物の積み下ろしはもちろん、荷主の指示待ちで待機している時間も含まれます。荷待ち時間の原因が「荷主の指示待ち」などの場合、ドライバー側でコントロールすることはできません。中には、荷待ち時間を「休憩」時間として扱っている企業も存在している現状もありますが、この「荷待ち時間」は休憩という扱いではなく、適切な賃金や残業代を支払う業務時間として扱わなくてはなりません。

この荷待ち時間の削減策としては、

・荷役のパレット化、省力、アシスト機器の活用、時間管理の徹底

・荷役アシスト機器、ITを活用したトラック予約受付システム等の導入助成、荷役以外の倉庫都合による待機時間の削減要望

などが挙げられます。

ドライバーや荷受けの立場であると、改善しにくい部分でもありますので、荷主とのやり取りや、取り決めが大切になります。荷受け側だから…と諦めるのではなく、ドライバーのためにも、しっかりとした対策や検討をしていきましょう。

 ②書面化・記録化の推進 

続いて2つ目のポイントとして、「書面化、記録化の推進」についてです。

・契約の書面化
・荷待ち時間の記録化
・新標準運送規約

特に、上記の3つを書面化、記録化していくことが大切です。

書面化や記録化については、あまり運用に関係していないと考えてしまいますが、とても重要なポイントです。運転規約についても、運転時間、拘束時間などと密接な関係を有するものなので、荷主等との間で契約を「安全配慮の観点」から、「より適正なもの」としていく取組が必要です。また、荷待ち時間は30分以上発生した場合、記録が義務化されていますので、しっかりと乗務記録へ記録し、最低1年間は保管するようにしましょう。

 ③柔軟な働き方の実現 

そして、最後の3つ目のポイントは「柔軟な働き方の実現」についてです。

現在、運送業は女性の従業員割合が圧倒的に少ない状態です。また、高年齢層の従業員が多いため、女性と高齢者の方も働きやすい職場・働き方づくりが必要となってきます。

では、実際どのような取り組みや改善が必要でしょうか。いくつか例を挙げて紹介いたします。

・省力機器の導入・手荷役の見直し
・男女別着替えロッカーの設置 ・女性専用トイレの設置
・パウダールームの設置・子育て環境の整備
・育児休暇制度 ・短時間勤務制度、業務の創出

上記のような取り組みが推奨されており、どれも「職場環境やワークライフバランスがポイント」となっています。赤字で記されている取り組みは、費用をかけずとも、職場の働き方の改善に繋がるものとなっていますので、大幅な改善は難しい…、コストをあまりかけたくない…といった企業様でも取り組みやすい内容となっています。ぜひご検討ください。

最後に…

いかがでしたでしょうか!

概要編の第1弾につづいて、第2弾では、具体的な対応までの流れや具体的な対応ポイントについてご紹介いたしました。

今回の働き方改革では違反してしまった場合、罰則がございますので、罰則を受けないためにも、しっかりと概要を理解したうえで無駄のない対応をしていきましょう。

少しでも疑問点やご相談したい内容等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

IT Worldは、運送業に関連したシステムやその他システムのヒアリングから提案、サポートまで一貫してお手伝いさせていただきます。

さらに、システムの提案はもちろんのこと、現在の運用見直しやシステムを最大に活かすためのアドバイス等もさせていただきます。働き方改革に向けて運用方法を見直したい企業様や、システムの詳細を知りたい企業様もお気軽にお問い合わせください。

最後に…

本コラムを見てくださった方に、特典を用意させていただきました!

本コラムをぎゅっと詰め込んだ「運送業の働き方改革〈対応編〉ホワイトペーパー」

ホワイトペーパーは、図やグラフを用いたわかりやすい内容に加え、改善基準告知を守れているかのチェックシートも盛り込まれた内容となっています。

今後、対応に向けて動き出したい企業様は、ぜひご活用ください。

第3弾の〈システム紹介編〉では、働き方改革へ対応するにあたって活用できるシステムについてご紹介します。

第3弾もぜひご覧ください!